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第三十九回「人生に火をつけろ!シンフォニックメタルの使者、Therion!




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気づけばもう2016年!時の流れに精神的ノスタルジックなメンタルダメージを受けとめきれない読者の皆様こんにちは。ご無沙汰しております、逢瀬アキラです。「あれ?こないだまで二十歳だったのに、、、あれ?」と言うお約束はもう置いといて、いやぁ2016年ですよ。おいでませ2016年。宜しくお願いします2016年。最近ネタ切れなんじゃないのというツッコミもさておき、今回はまたアツ苦しい音楽をお勧めさせていただきます!

「Therion」と言うバンドをご存知でしょうか。スウェーデンのデスメタルバンド→メロディックデスメタルバンド→シンフォニックメタルバンドですね。なんのこっちゃ分からない感じですが、今回はこのTherionの紹介です。
1987年にストックホルムで結成されたバンド。当時はバリバリのデスメタルバンドだったのですが、次第に進化をとげ5thアルバム「Theli」を皮切りにクラシックやオペラの要素を取り入れ始めメロディックデスメタルバンドとして名を広げる。そして6thアルバムからはデスメタル的な色合いは陰に潜み、男女のコーラスやオーケストラを使用した壮大な楽曲が増えシンフォニックメタルというジャンルに一気に頭角を現す。関わるミュージシャンやスタッフはかなりの人数で、楽曲1曲1曲の厚み、重みは深い。シンフォニックメタルといえばこのバンドを上げる人も多いのではないだろうか。
 
というわけで、早速オススメをご紹介。まずはこれ、「GOTHIC KABBALAH」全部で17曲、計90分を超える収録となる長編にもかかわらず、一切ダレずに最後まで満足できる1枚になっている。オペラ隊に埋もれることなくしっかりメタルを主張するマッツ・レヴィンのボーカルも聞きどころ。ちなみに曲によって色んなボーカルが歌唱を担当。それも飽きがこないポイントではないだろうか。その中でも個人的に印象深いのが「Son of the Staves of Time」、女性オペラボイスで幻想的で妖艶な雰囲気で始まるこの曲は、メロディの美しさ、レヴィンとオペラコーラスの見事な調和がかなり脳を制圧させる。これは絶対に聞いて欲しい1曲。

次にこれ、アルバム「LEMURIA/SIRIUS B」から「Voyage of Gurdjieff (The Fourth Way)」。このアルバムもゴシックカバラのような超大作の2枚組。壮絶なボリュームである。その締めくくりになっているこの曲は、例によってスタートから「よっしゃこのメタル待ってました!」とガッツポーズ必須の疾走曲。壮大に疾走するというある種矛盾したかのような日本語かもしれないが、4分あたりから始まるギターソロ、メロディーを追うギターに終盤の女性コーラス。これはTherionにしかできないな、とメタルファンを唸らせる壮大荘厳な合唱曲に仕上がっている。これはアルバム最後の曲という意味での破壊力もあるが単体でもかなりの聞きごたえを感じさせてくれる。是非聴いて欲しい。


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そして、Therionを語る上で絶対に外せないのがこの男、トーマス・ヴィクストロムである。2009年からバンド初となるボーカルの正式メンバーになり一気に知名度を上げる。へヴィメタルの世界には「ん?この人ホントに人間かな?」っていう感想しか出てこないような超人がたまに存在するが、このトーマス・ヴィクストロム、スウェーデンでは「ヴォーカル・マスター」とも呼ばれるほどの実力でその技量の高さはまさに超人中の超人である。個人的な意見だけれど一つの完成系、頂点じゃないのかな、と思わざるを得ない。世界でも最高峰の実力派ボーカルと言っても過言ではない男なのだ。じゃあトーマス、どういうボーカルなのかというと、端的に言うとまさになんでもできるマン。音楽の神に愛された男である。

なんでもできるなんて書いてしまうと器用貧乏みたいな印象を持たれてしまうかもしれないがそんなことは一切なく、どれもかなりの高次元で歌いこなしてしまう。ロックバンドが違う畑の曲をロック調にしてカバーしましたっていうのはよく聞く話だが、このトーマスは発声を完全に使い分けた上でへヴィメタル、ロック、オペラ、ブルース、ジャズ、果てはミュージカルまで歌いこなしてしまう。様々な音楽ジャンルにおいてプロとしてのキャリアを持ち、オペラに至ってはスウェーデン王立歌劇場でテノール歌手として活躍、一体どうなっているんだ。
楽曲としてクラシック的なエッセンスを織り交ぜたバンドは沢山あるのだけれど、1人で全部やれてしまうというヴォーカルは神に等しく非常に稀有な存在。バンドの中では4オクターブを誇る広い音域と、オペラで培った歌唱の他に楽曲によってデスボイスやスラッシュメタルのようなシャウトまで使いこなす。人間というのは一つの道を究めるだけでも一生使い果たすものだとばかり思っていたのだが、まぁ何と表現するべきか、世の中は広い。とんでもなく広い。

ここまで歌に愛された男の才能は、実は音楽だけにはとどまらない。このトーマス・ヴィクストロムという男、若いころアイスホッケーのオリンピック強化選手にも選ばれており、さらに変質者を撃退して地元警察からの表彰も受けているという。国を代表できるレベルのスポーツマンで人格者、本職の歌は超一流、いったい人生何周しているんだ・・・嫉妬せざるを得ない男である。そんなパーフェクト超人が最終的にへヴィなメタルの道を選んだのだから、やはりメタルには素晴らしい、とんでもない魅力があるんだ、そういう事なのだ。

j.jpgそしてそんなトーマスが専任のボーカルとして参加している出来上がったアルバム「Sitra Ahra」。Therionらしい壮大でエキゾチックな雰囲気はそのままに、トーマスのハイトーン、テノールが響き渡り、才能巻き散らかしたい放題の傑作アルバムに仕上がっている。これは1枚通して是非とも聴いて欲しい1枚だ。抜群な世界感を持つバンドに超人ヴォーカルが加わる。もう鬼に金棒、いやそれ以上だ。進化に進化を遂げ続けるこの勢いはまだまだ止まらないであろう。

これからもアツいメタルを届けてくれるに違いないTherion。今後の活動にも目が離せない。メタルを愛する全ての人へ。メタルをまだ知らない全ての人へ。是非とも聴いて欲しいバンドである。

逢瀬アキラ


2016年02月08日 00:00





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